モード走行時のディーゼル排出ガス中のCO、総HC及びCO2の排出量(g/km)は、トンネルからサンプルした希釈ガス濃度とトンネルの総吸引流量等から求めます。その結果から、以下に示すカーボンバランス法の式を使ってモード燃費を算出します。
〇ディーゼル車の場合の燃費計算法
 JATAにおけるディーゼル車の燃費測定は、シャシダイナモメータ上での実車排出ガス試験により行います。ディーゼル車は粒子状物質(PM)の排出量も測定するのが一般的なので、希釈トンネル設備を用いて排出ガス計測を行います。ディーゼル車の排気管から出た排出ガスの総量を希釈トンネルに導入し、ここで新鮮空気と均一に混合させて希釈します。この希釈トンネルでは〔排出ガス+希釈空気〕の合計が常に一定になるように臨界流ベンチュリを通して混合ガスを吸引しています。

最近は2WD車でも、 4輪が回転していないと車載の電子回路が異常状態と判定して走行不可になる車が増えています。 こうした車の場合、JATAでは右図のような4WD車用シャシダイナモメータを用いて試験を行います。

 4WDシャシダイナモメータは、前後ローラの回転と負荷を制御する通常の4WDモードの他に、2WD車で非駆動輪側ローラを駆動輪側に追従回転させるだけの制御モードも選択可能なので、上記の回転異常判定機能を持つ車にも対応できます。
 
〇ガソリン車の場合の燃費計算法
 ガソリン車の燃費は、下記のカーボンバランス燃費計算法の式により、COと総HC及びCO2の排出量から燃費(km/L)を算出します。

 試験車をシャシダイナモメータ上に設置して、決められた走行パターンをシャシダイナモメータ上で運転します。CO2,CO,HCの排出量をモード区間全体あるいは特定区間ごとに測定し、カーボンバランス法で各区間の燃費を計算します。シャシダイナモメータ試験室は、室温25℃、湿度55%を目標値として空調制御されます。燃費試験の前に、まず試験車の重量に対応した等価慣性質量及び走行抵抗をシャシダイナモメータに設定します。その後、試験車ごとの走行抵抗(転がり抵抗+空気抵抗)が試験車の駆動輪に正しく与えられるように、シャシダイナモメータ上で試験車を惰行走行させて、各車速域で目標走行抵抗の5%以内に入るまでシャシダイナモの吸収負荷を自動調整します。

 燃費を測定するための排出ガス試験がホットスタートの場合は、台上で十分な暖機走行を行った後に試験を行います。またコールドスタート試験の場合は、一晩放置してからモード走行を開始して、その区間のCO2とCO,HCの排出ガス量を測定します。

 モード走行時の排出ガス重量を測定するため、試験車の排気管から出た排出ガスの総量をCVS装置に導入し、ここで希釈空気と均一に混合させて、その一部を定流量でバッグに捕集し、その濃度とCVSの総流量等からCO2,CO,HCの排出量(g/km)を算出して燃費を計算します。(カーボンバランス燃費計算法)

ガソリン中軽量車の燃費評価試験の方法

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