学会活動その他

学会活動その他

(公財)日本自動車輸送技術協会(JATA)では、昭島研究室に設置している4WDシャシダイナモメータ設備や排出ガス分析システムなど最新の各種計測設備をフルに活用して独自の研究活動を実施し、その成果を自動車技術会等の場で毎年発表しています。
 JATAが得意としている研究分野は、自動車排出ガスや燃費の試験方法、特に測定結果に影響を与えるシャシダイナモ試験実施上の問題の解明やその対応策に関するものが主です。具体的には、試験の実施方法や試験パラメータなどの各種影響要因の調査、その影響メカニズムの解明、排出ガスや燃費値に与える影響度の定量的評価などの研究調査を行っています。JATAのこれまでの発表成果では、シャシダイナモメータ試験方法の違いが燃費や排出ガス結果に及ぼす影響、台上試験や路上試験における車両性能(損失特性)の評価技術、タイヤ特性と燃費との関連性評価、二輪車の排出ガス評価方法などに関するものがあります。
 こうした日頃の研究成果は、下記に示すように自動車技術会の春季・秋季の学術講演会の場でも継続的に発表しています。また技術論文の投稿や学会誌の記事執筆、委員会での話題提供なども行い、外部の専門家による評価やご意見・ご指摘を頂いて、研究活動に反映するようにしております。

 その他の学会活動としては、例えば学会の中に設置されている各種委員会にも人を派遣して、大学、自動車メーカー、計測器メーカーなど外部の専門家、技術者の方々と積極的に議論し意見交換を深めるとともに、自動車関連の技術規格(JASO)の策定に協力する活動も行っています。さらに複数の計測器メーカーなどとともに共同研究、共同実験などを行い、その成果を連名で学会発表しております。

 当協会が排出ガス試験や委託試験などの通常業務の他にこうした学会活動を積極的に推進している理由は、協会としての技術レベルの蓄積、向上をはかるという本来の目的のほかに、自動車技術分野における外部との連携(共同研究等)の推進や、地道な研究活動を通して、当協会の将来を担う中堅・若手人材の専門力、応用力を高めることもねらいとしています。

 さらに研究の結果、得られた成果の一部は、知財保護の観点から特許出願(国内5件、海外1件)なども行っております。

自動車技術会における最近のJATA研究発表テーマの一覧(新しい順)

〇4WDシャシダイナモメータを用いた転がり抵抗測定の高精度化に関する研究(第5報)
-台上転がり抵抗における室温、ローラ温度及びローラ/タイヤ曲率への補正処理がモード燃費・電費の測定結果に及ぼす影響度の推計-
  (JATA昭島研究室 中手 が発表)
〇四輪駆動車用シャシダイナモメータを用いた転がり抵抗測定方法を規定したJASO E017の概要
  (自動車技術会シャシダイナモ試験法分科会での共著)(2020年度自動車技術会 秋季学術講演会(Web形式で開催)2020年10月23日オンライン発表)

〇4WDシャシダイナモメータを用いた転がり抵抗測定の高精度化に関する研究(第3報)-共著-台上試験時のタイヤ冷却方法とローラ温度によるタイヤ温度違いが転がり抵抗測定に及ぼす影響解析と補正方法について
〇4WDシャシダイナモメータを用いた転がり抵抗測定の高精度化に関する研究(第4報)-台上転がり抵抗測定におけるタイヤ/ローラの温度及び曲率の条件違いがモード走行時の車両仕事量と燃費・電費に及ぼす影響度の推計-(2019年自動車技術会 秋季学術講演会 2019年10月11日)

〇4WDシャシダイナモメータを用いた転がり抵抗測定の高精度化に関する研究(第1報)-台上試験時の温度条件違いがころがり抵抗測定に及ぼす影響とその抑止方法及び補正方法ー
〇4WDシャシダイナモメータを用いた転がり抵抗測定の高精度化に関する研究(第2報)-共著-ローラ径の違いが台上試験での転がり抵抗測定に与える影響についてー(2019年度自動車技術会 春季学術講演会 2019年5月22日)

〇各種タイヤ条件でのWLTCモード走行損失特性とその燃費影響に関する解析-車両走行モデルに基づく先進タイヤ試験機でのモード損失測定と燃費推計への応用-(2018年度自動車技術会 秋季学術講演会 2018年10月19日)

〇モード試験及び実走行での各種走行条件パラメータが燃費に及ぼす影響感度の分析(2018年度自動車技術会 春季学術講演会 2018年5月25日)-(第4報)実使用条件下での燃費影響要因の抽出と各燃費感度の評価方法-

〇モード試験及び実走行での各種走行条件パラメータが燃費に及ぼす影響感度の分析(2017年度自動車技術会 秋季学術講演会 2017年10月11日)-(第3報)実使用時に特有な各種走行要因が複合的に作用する条件での燃費影響度の推計-
〇4WDシャシダイナモメータ上での車両拘束状態がモード走行仕事に与える影響(共著)-(2017年度自動車技術会 秋季学術講演会 2017年10月11日)

〇モード試験及び実走行での各種走行条件パラメータが燃費に及ぼす影響感度の分析(2017年度自動車技術会 春季学術講演会 2017年5月26日)
-(第1報)各種走行条件パラメータによる燃費影響感度の推計方法-
-(第2報)各種走行条件パラメータの違いによる燃費影響感度の推計結果-

〇燃費測定に影響するシャシダイナモ試験法の適正化要件に関する検討(第6報)
-4WDシャシダイナモ上の試験車モード走行抵抗仕事量に基づく車両拘束条件の評価方法-
(2016年度自動車技術会 秋季学術講演会 2016年10月20日)

〇燃費測定に影響するシャシダイナモ試験法の適正化要件に関する検討(第5報)
-4WDシャシダイナモ上の車両拘束チェーンの取り付け方法、張力条件が試験車の台上ころがり抵抗に影響するメカニズムの解析-
(2016年度自動車技術会 春季学術講演会 2016年5月26日)

〇燃費測定に影響するシャシダイナモ試験法の適正化要件に関する検討(第4報)
-シャシダイナモ上の試験車拘束条件が台上走行時の車両損失および燃費計測に及ぼす影響-
(2015年度自動車技術会 秋季学術講演会 2015年10月14日)

〇4WDシャシダイナモメータを用いた派生車両の目標走行抵抗推定手法の研究(共著)-(2015年度自動車技術会 秋季学術講演会 2015年10月14日)

〇タイヤ損失特性の違いがモード走行燃費に及ぼす影響とタイヤ単体試験による燃費差の予測効果(2015年度自動車技術会 春季学術講演会 2015年5月21日)

〇燃費測定に影響するシャシダイナモ試験法の適正化要件に関する検討(第3報)
-4WD車の台上試験の方法がモード走行時のエンジン仕事量に及ぼす影響-
(2014年度自動車技術会 秋季学術講演会 2014年10月24日)

〇燃費測定に影響するシャシダイナモ試験法の適正化要件に関する検討(第2報)
-台上モード試験における車両冷却条件の違いがエンジン負荷と燃費に及ぼす影響(共著)-
(2014年度自動車技術会 春季学術講演会 2014年5月23日)

〇燃費測定に影響するシャシダイナモ試験法の適正化要件に関する検討(第1報)
-シャシダイナモ試験における実路走行負荷の再現特性と燃費評価への影響-
(2014年度自動車技術会 春季学術講演会 2014年5月23日)

〇開放型排出ガス採取部を有する二輪車排出ガス測定用CVSの適用性評価(第2報)
-低エミッション二輪車を開放型CVSで試験する際の漏れ検知の方法-
(2013年度自動車技術会 秋季学術講演会 2013年10月25日)

〇開放型排出ガス採取部を有する二輪車排出ガス測定用CVSの適用性評価
(2013年度自動車技術会 春季学術講演会 2013年5月23日)

〇モード走行時のタイヤ損失特性の評価方法と燃費影響予測への応用(第2報)
-タイヤ単体評価法の実車相関性およびタイヤによるエネルギー消費への影響度-
(2012年度自動車技術会 秋季学術講演会 2012年10月3日)

〇モード走行時のタイヤ損失特性の評価方法と燃費影響予測への応用(第1報)
(2012年度自動車技術会 春季学術講演会 2012年5月24日)