P.6 : 5. 排出ガス・燃費試験用シャシダイナモメータの性能要件、評価基準
     (1) 電気慣性式シャシダイナモメータの性能評価法の要点

P.7 :   (2) 4WDシャシダイナモメータの性能評価法の要点
      ①4WD車の試験における現状の問題点
      ②4WD車用シャシダイナモメータの機能検証のための
       基準の考え方
      ③4WD車用シャシダイナモメータの性能評価ツール
P.8 :    ④4WDシャシダイナモメータの性能評価指標
       ・4WDシャシダイナモの走行負荷制御性能の評価法
        と許容範囲
       ・前後ローラ等速性の評価指標と許容範囲
P.9 :    ⑤JATAの4WDシャシダイナモメータの制御能力の評価結果
       ・負荷制御能力の評価結果
       ・前後等速性の制御能力の評価結果

G.シャシダイナモメータによる車両評価
シャシダイナモメータによる車両評価のページでは、以下のような内容を各々のページで解説しています。
   (下記の各ページの青色で示すページ番号をクリックすると、直接そのページに飛ぶことができます)

P.1 : 1. シャシダイナモメータとは
P.2 : 2. モード試験におけるシャシダイナモメータの負荷制御
P.3 : 3. シャシダイナモメータの方式、種類
     (1) 慣性力の吸収方式による種別
      ・機械慣性式シャシダイナモメータ
      ・電気慣性式シャシダイナモメータ
P.4
:   (2) 試験車の駆動方式の対応したシャシダイナモの種別
      ・2WD車用シャシダイナモメータ
      ・4WD車用シャシダイナモメータ
P.5
: 4. JATA昭島研究室の4WDシャシダイナモメータ
     (1) 4WDシャシダイナモメータの使用目的
     (2) JATAにおける4WDシャシダイナモメータの役割
     (3) 基本スペック

 同じ車速変化で走行した時に実走行とシャシダイナモ上走行でエンジン負荷が同等になるのが理想ですが、タイヤをローラ上で回すだけでは実現できません。例えば実走行では車速相当の向かい風が車の空気抵抗になりますが、シャシダイナモ上では車体が静止しているので、そのままでは空気抵抗が作用しません。またタイヤと路面間の摩擦抵抗は、シャシダイナモ上のタイヤとローラ間の摩擦抵抗とは異なります。またシャシダイナモの回転ローラは曲率があるため、タイヤの変形抵抗も平坦な実路上とは異なってきます。一方、実路上で加減速する時は、車の質量が慣性抵抗になりますが、室内試験では車体は前後方向に動かないので、そのままでは慣性抵抗は作用しません。
 実走行時と同等の負荷を室内試験でエンジンに与えるのが、シャシダイナモメータを構成する動力計の役割です。具体的には、ローラ軸に直結した電気動力計が、発電機と同じ原理で車の駆動輪の発生力を電力エネルギーに変えて吸収し、それによって駆動輪に走行抵抗が与えられます。この抵抗値が、実走行時と同じ力になるように電気動力計の吸収負荷が自動制御されます。一方、減速時は、ローラ側がマイナスの慣性力をタイヤに与えるので、ドライバーはブレーキ操作で速度調整します。このようにして実際の運転に近い慣性力、走行抵抗が試験車に作用することになるため、室内試験でもアクセルやブレーキの操作に関して自然な運転感覚が得られます。

 走行抵抗のうち空気抵抗は車体形状によって変わり、ころがり抵抗も装着タイヤの違いなどに影響されます。したがってこれらは上図のようにテストコースで実測します。測定はコース上で車を自然惰行させて、その時の減速時間を測定することにより走行抵抗を計算で求めます。測定された走行抵抗は、その時の風や気温、気圧の影響を補正して標準状態の走行抵抗に補正し、これをシャシダイナモメータの目標走行抵抗として設定します。上図の車両冷却ファンは、車速と同じ風速になるように制御され、向かい風相当の風が車両前面に当たるようにします。これはエンジン等の冷却条件を実走行に近付けるためです。
 車に慣性抵抗を与えるため、試験車の重量に応じて規定された等価慣性質量を試験前にシャシダイナモメータに設定します。シャシダイナモでは、駆動輪を載せた回転ローラにその慣性力が抵抗として作用するよう機能させますが、その方法として車ごとに定められた等価慣性質量に応じてフライホィール(慣性盤)の組み合わせを選択する方式がかつては使われていましたが、最近は動力計側の吸収トルクを加速度と等価慣性質量に応じて自動制御することにより、慣性力相当の抵抗力を精密に与える電気慣性方式が多く使われています。
1.シャシダイナモメータとは
 乗用車や小型トラックなどの中・軽量自動車の排出ガス試験や燃費試験では、試験車を試験室のシャシダイナモメータ上に設置し、国が定めた試験モードを走行させた状態で排気管から放出されるCO、HC、NOx、CO2の総排出量を測定し、モード排出ガス量(g/km)や燃費値(km/L)を算出することになっています。シャシダイナモメータはこれらの評価値を測定する上で、試験車の運転条件を規定することになる基本的な設備です。
 試験法の基本的な考え方として、評価対象の車が実走行する時の状態にできるだけ近い条件を試験室で再現し、その際の排出ガス量や燃料消費量を測定することになっています。ただ試験車の運転方法(速度変化)を統一しておかないと評価や比較ができないので、都市内や郊外の平均的な走り方のデータを元に試験走行モードが決められています。我が国で現在燃費試験に使われるモードは、JC08モードと呼ばれる20分間の走行パターンです。ただし今後は国際統一基準として定められたWLTCモードに順次切り替えていきます。
 実走行条件にできるだけ近い条件を試験車に与えるのがシャシダイナモメータの役割です。試験車の走らせ方は、規定通りの速度変化を与えるだけでなく、エンジンに加わる負荷が実路走行時と同等にすることが重要で、これがシャシダイナモメータの最も重要な役割といえます。
 車が走行する際には、ころがり抵抗や空気抵抗が抵抗が発生し、これらはエンジンに対する負荷になります。さらに加減速時は、車の[空車重量+積載物]がもたらす慣性力とエンジン、タイヤなどの回転部分の慣性モーメントによる回転慣性力が作用するので、これらもエンジンの負荷になります。こうした実際の走行時のエンジン負荷状態を再現するために、シャシダイナモメータは試験車の駆動輪を介して実走行時と同等の抵抗力をエンジンに与えるように制御されます。

 

公益財団法人日本自動車輸送技術協会は、自動車の安全確保、環境保全に役立つ各種の試験、調査、研究を行うことで社会に貢献しています。

以前のホームページ

公益財団法人日本自動車輸送技術協会 Japan Automobile Transport Technology Association

  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大
  • アクセス

技術解説

  技術解説ーシャシダイナモメータによる車両評価1  
                                 シャシダイナモ試験をJATAに委託するには
       1789  次頁へ進む>  


















































































             789  次頁へ進む