しかし一般的な三元触媒システム装着車では、ある程度の範囲まではO2センサによる空燃比逸脱補償機能を備えているので、エタノールを低濃度に混合した場合も、特別な対策をすることなくその燃料状態に応じた理論空燃比が維持される。
 左の図のように空燃比が希薄域に移行すると、三元触媒の反応が酸化性雰囲気になり、COとHCの濃度がやや低下する。
一方、NOxの還元が進まずにNOx排出はかなり増加する。
ガソリン100%の場合:14.7
エタノール100%の場合:9.0
理論空燃比
エタノール(CH3-CH2-OH)は含酸素燃料なので、理論空燃比がガソリンとは異なってくる。
注2)

・オクタン価が高い

・蒸気圧が低い

・水への溶融性が低い(水の混入影響少)

・ETBEを7%ガソリンに混ぜるとE3に相当

・人体影響、毒性に関するデータが不十分

化学的性質
ETBEの化学式

※ETBE:Ethyl Tertiary Butyl Ether の総称,エーテル化合物の一種,エタノールとイソブチレンから製造される。海外では含酸素のオクタン価向上剤としてガソリンに添加されている例がある。

注1)

・バイオ由来のエタノールは、ガソリン代替燃料としてCO2削減に効果がある。

・ガソリンに混合して使用できるため,既存の燃料インフラを活用してインフラ整備する点でも有利

・燃料にエタノールを加えても、ガソリン車の排出ガス(NOx等)低減のメリットは少ない

  (ガソリン車の排出ガスは既に十分低く、またその浄化能力は三元触媒システムにほぼ依存しているため)

・3%エタノール混合の燃料(E3)は国内のガソリンスタンドで供給開始されている。

(E3燃料はガソリンと同等の扱いが認められているため、 通常のガソリン車にそのまま給油可能)

・エタノールを10%混合したE10燃料については、国交省がE10対応自動車の技術指針を示し、

 対応自動車(右図)が市販されたことで、今後の燃料供給も予想される。

・石油メーカーはエタノールではなくETBE 注1) をガソリンに混合して供給。

・高濃度エタノール混合は海外では既に実績がある。ただし、

  エタノールの混合割合を高くすることでCO2の削減効果は上がるが、

・金属部材の腐食対策や空燃比制御の適正化対策が必要になる。

 (三元触媒システムでは、燃料性状に応じた対策をしないと空燃比が
  希薄化しNOx増加の要因になる。(注2)

・燃料に水が多く混入した場合には相分離が起きやすくなる。

・ガソリンにエタノールを多く混ぜると燃料蒸気圧が上昇しやすくなる。

・品質の安定化,経済性,供給安定性が課題である。

  

タノールC25OHは、燃料として次のような特徴があります。

バイオエタノール燃料

公益財団法人日本自動車輸送技術協会は、自動車の安全確保、環境保全に役立つ各種の試験、調査、研究を行うことで社会に貢献しています。

以前のホームページ

公益財団法人日本自動車輸送技術協会 Japan Automobile Transport Technology Association

  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大
  • アクセス

技術解説

技術解説ー新燃料自動車の動向4
                              JATAによる新燃料自動車の受託試験に関するご案内ページはこちらから
                                    JATAへの試験委託のお手続きに関する案内ページはこちら
      <前頁へ戻る  次頁へ進む















































           <前頁へ戻る ll 次頁へ進む