シャシダイナモメータは上図のような形で、試験車が実路走行した時と同等の走行抵抗(ころがり抵抗+空気抵抗)及び加減速時の慣性抵抗が試験車の駆動輪に与えられるように動力計の吸収負荷が自動制御されます。

 加減速を伴う燃費・排出ガス試験用の走行モード運転の場合は、特に40km/h以下の速度域においては、右図に示すように慣性抵抗の方が走行抵抗(ころがり抵抗+空気抵抗)に比べて圧倒的に大きくなることがわかります。

 (右図の計算例は、10モード運転時)

 実路惰行試験で測定された走行抵抗は、4輪回転でのころがり抵抗および空気抵抗の合計です。この試験車(下図の例示はFF駆動の2WD車)をシャシダイナモで運転する際は、このままでは空気抵抗及び非駆動輪側のころがり抵抗が全く作用しないので、実路の目標走行抵抗とシャシダイナモ上の駆動輪のころがり抵抗の差分FCHDYをシャシダイナモ側の電気動力計が試験車に付加します。(下図参照)

 負荷設定を行う際は、現行の排出ガス・燃費の試験規定では、まず下図のように試験車をテストコースで走らせて、試験車ごとに各車速域での走行抵抗を測定します。具体的には以下のようにNギヤでの惰行走行を行い、その際の各速度域での減速時間から車の走行抵抗(ころがり抵抗と空気抵抗の合計)を測定し、その値を無風、標準大気状態(1気圧、20℃)での値に補正して、シャシダイナモメータ試験に設定する目標走行抵抗を求めます。
2.モード試験におけるシャシダイナモメータの負荷制御

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技術解説ーシャシダイナモメータによる車両評価2
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