◇現状
・夜間などに外部電力で電池に充電し、これを走行後に利用することで一定のEV走行を確保する車です。
・近距離はEVとして、長距離は通常のガソリンHEVとしての走行が可能となるので、長距離ドライブで充電スタンドの設置場所を気にしなくてはならないEVの実用上の弱点がカバーされることになります。
・主な課題: 「電池性能の向上(EV走行時の航続距離の拡大」、「車両コストダウン」
◇代表車種:
・トヨタ プリウス(PHEV) 2012年1月~
・三菱アウトランダーPHEV 2013年1月~
・ホンダクラリティ PHEV 2018年7月~
・ベンツ C350e、 E350e
・BMW i3, i8, 530e,740e
・その他 VW, アウディ、ポルシェ、ボルボ、シボレーなど
PHEVは、従来のハイブリッド車の機能に加えて、下右図に示すように外部電源からバッテリーに蓄電した電気エネルギーも走行に利用するハイブリッド車です。つまりHEVとしてのエンジンの高効率利用だけでなく、外部給電の電力も利用した電気駆動走行(EV走行)も可能にしています。このことからEVとHEVの双方の長所を併せ持った車といえるのがPHEVです。ただし搭載バッテリーの容量は、通常のHEVよりも大きなものが必要となりますので、搭載バッテリー容量の違いがEV走行の距離に関係してきます。
2.ハイブリッド自動車(HEV)の状況
HEVを駆動するエネルギー源は、ガソリンや軽油の燃焼エネルギーですが、エンジンに発電機とモータを組み合わせることで、減速時のエネルギー回生や低速時のモーター単独走行、あるいは[エンジン+モータ]の最適併用走行など、効率を高めて燃費を大幅に向上させたハイブリッド車が多く普及しています。さらにエンジンを発電専用として使うシリーズハイブリッド車も市販されています。当初はHEVは乗用車、軽自動車クラスだけでしたが、最近はトラックやバスなどの大型車にもハイブリッドシステムを搭載して、燃費を向上させた車が市販されています。
◇現状
・2017年度末のEVの国内普及台数は、約93千台(自検協資料:PHEVは含まず)
・次世代車の中でも最近はEVが増加の傾向。今後は都市部での小口貨物配送業務へのEV活用に 注目が集まる。◇展望:
・今後も電池性能の向上が鍵。大量普及には充電インフラの広範囲の普及が重要。EV普及の初期段階では国や自治体による購入補助金制度を充実させることも重要。
・主な技術課題 :「車両コスト低減」、「バッテリー性能と耐久性の向上」、「1充電航続距離の延長」
◇我が国の代表的な電気自動車:
・三菱i-MiEV 2010年4月~ ・三菱MINICAB-MiEV 2011年12月~
・三菱ふそう eCanter 2017年~
・日産LEAF 2010年12月~
1.電気自動車(EV)の状況
究極の低公害車として、有害な排出ガスをまったく出さない電気自動車(EV)が世界的に注目されています。EVのエネルギー源となる電気は、化石燃料の他にも自然エネルギーや再生可能エネルギー、原子力などから作ることができる上に、EVのエネルギー利用効率がエンジン車よりもはるかに高いことから、EVの大量普及によって排出CO2を低減する効果に大きな期待が寄せられています。