実機のエンジンにおけるクリーン燃焼制御を実現するには、高圧噴射だけでなく、エンジンの使用領域に応じて燃料の噴射タイミング、噴射量、噴射回数などをきめ細かに制御することが必要です。これを実現するために、複雑・高度な電子制御技術を駆使したコモンレールシステム(下図)が開発・実用化されたことにより、ディーゼル車の排出ガス低減に大きく貢献しましました。
ディーゼル燃料供給の高精度制御を実現するコモンレールシステム
1 希薄燃焼 (O2濃度を高めることにより完全燃焼を促進する)
(大量の空気を供給し燃焼温度を下げて、NOxの生成を抑止する)
(局所的な燃料ピーク濃度を下げて過濃域を抑制し、PMの生成を減らす)
4 高圧燃料噴射 (燃料をより微粒化することで、酸素不足による黒煙等の粒子状物質の生成を抑止する)
(相対フリクションや熱損失を低減することで、エネルギー利用効率が向上)
6 より広範なエンジン使用域で多量EGRを行う (EGR効果により燃焼温度を下げてNOxの生成を抑止)