どの拘束方式でも、車両拘束の方式、方法、および駆動輪の発生力に応じて、試験車の各拘束点に作用する力が常に変化します。
 ちなみに駆動輪の発生力は、走行モードの加速度並びに設定された等価慣性質量及び設定された走行抵抗によって、モード走行中も刻々と広範囲に変化します。
 シャシダイナモ試験を安全に実施する上では、車両拘束点に加わる外力とその方向(角度)が、拘束点の部材の耐久強度を超えないように、事前に十分配慮して対策することが重要です。
 対策の具体的方法については、以降のページで解説していきます。


 下の図は、4WDシャシダイナモメータ試験における車両拘束方法を分類したものです。この中で引張式というのは、チェーンやベルト、ワイヤなどの片端を試験車の前後の各フックに掛け、もう一方の端を試験室の床面に設置された固定用ポール(支柱)に取り付けた上で、チェーンやベルト等に適度な張力をかけて張ることにより試験車を固縛する方法です。この引張方式は、わが国の中で最も多く使われている方式です。
 一方、下図のバー式というのは、剛体である棒状の治具の一端を車体側に接続し、バーの反対端を試験室の床面から出ている固定用治具と接続することにより、車体の前後への動きを抑止する方式です。このバー方式は、特に欧州諸国で広く使われています。また下図のトルクボックス式というのは、車両底部のトルクボックス穴に専用治具を差し込み、その治具の反対端を試験室床面に固定することで、車両が前後に動かないように固定する方式です。さらにホィールハブ方式というのは、試験車の車輪ホィールをベアリング機構を備えた特殊な治具で拘束することで、車体の前後動、上下動を抑えながらスムーズなタイヤの回転を可能にする方式です。
 それぞれの方法には一長一短があり、試験室の設備条件や稼働状況に応じて選択されているようです。
 

2.4WDシャシダイナモ試験における車両拘束方法の分類

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技術解説

技術解説ーシャシダイナモメータによる車両評価(Part2)ーシャシダイナモ続編版
       
   4WDシャシダイナモメータにおける車両拘束及びその評価方法2
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