(1)4WD シャシダイナモ試験時の事故の防止
モード走行中に車両側の各拘束点 ● に加わる力とその方向
今回制定されたJASO E016の中では
車両の拘束点に加わる力の大きさや方向を予測して、連結部材の構造強度を前提に、安全対策をしておくことが大切です。
下記のような各拘束方式のもとで、モード走行中に車両側の各拘束点に加わる力の計算方法がJASO 016に記載されています。この他、4WDシャシダイナモ試験を安全に行うための注意事項や拘束の手順なども規定に盛り込まれました。
▶台上の試験車のタイヤが運転中に大きな駆動力を発生する時(急加速時など)には、車両側の拘束点に大きな力が加わってきます。条件次第では、試験中に車体側拘束点の部材の破断などに至る危険性もあります。
▶拘束点の部材の破断等によりチェーンがはずれてしまうと、試験車がローラ上から飛び出して前方の設備機器(車両冷却ファン等)に試験車が衝突する事態も懸念されます。そこでこうした試験時の危険性を未然に防止する安全対策が特に重要になります。
▶車両拘束のための作業(下左図例)を行う際には、こうした問題に十分配慮して慎重に行う必要があります。JASO E016はその手助けを担う役割も担う意味で制定された規格です。
4.JASO E016の役割その1ー試験時の安全対策としての車両拘束
公益財団法人日本自動車輸送技術協会は、自動車の安全確保、環境保全に役立つ各種の試験、調査、研究を行うことで社会に貢献しています。